田中良和国際法律事務所

「ビザ」と「ビザステータス」の違い

「ビザ」と「ビザステータス」の違い

「ビザ」と「ビザステータス(在留資格)」は、アメリカに滞在するうえで非常に重要な概念ですが、混同されがちです。この記事では、ビザとビザステータスの法的な違いについて解説します。

「ビザ」とは、アメリカ国外にあるアメリカ大使館または領事館で発行される入国許可証のことを指します。発行されたビザは、申請者のパスポートにスタンプやステッカーの形で貼付されます。このビザは、アメリカへの「入国を試みる」権利を与えるものであり、必ずしも入国を保証するものではありません。

ビザは、あくまでアメリカ国外からアメリカに入国するために必要なものであり、アメリカに滞在するための資格(ステータス)とは異なります。

「ビザステータス」とは、アメリカに入国した後に付与される滞在資格のことです。たとえば、F-1(学生)、H-1B(就労)、B-2(観光)などの種類があり、それぞれに滞在期間や活動内容が定められています。

このステータスは、アメリカ国内にいる限り有効で、たとえビザの有効期限が切れていても、ステータスが有効であれば滞在を続けることができます。

項目 ビザ ビザステータス
発行機関 アメリカ大使館・領事館(国外) 米国国土安全保障省(入国時)
場所 アメリカ国外で取得 アメリカ国内で有効
目的 アメリカ入国時に必要 アメリカ滞在を可能にする
有効性 入国のために必要。滞在中に失効しても問題ない 滞在の根拠。失効すると不法滞在となる
再入国 米国外から戻る際に必要 変更してもビザがなければ再入国不可
変更手続き 米国外で新たに申請 米国内で変更可能

アメリカ国内にいる間に、ビザステータスを変更することが可能です(たとえば、F-1学生ステータスからH-1B就労ステータスへの変更など)。この場合、新しいステータスの有効期限まではアメリカに合法的に滞在することができます。

しかし、この変更はあくまで「ステータス」の変更であり、「ビザ」の発行ではありません。そのため、一度アメリカ国外に出てしまうと、再びアメリカに入国するには、変更後のステータスに対応する「ビザ」を国外のアメリカ大使館・領事館で新たに取得する必要があります。

  • ビザ:アメリカ国外の大使館や領事館で発行。アメリカに入国するために必要。
  • ビザステータス:アメリカ国内での滞在資格。入国後に付与され、滞在の根拠となる。
  • ステータス変更はアメリカ国内で可能だが、国外に出ると再入国にはビザが必要。

ビザとビザステータスは密接に関係しながらも、法的には異なる制度です。アメリカでの滞在や将来の出入国計画に大きく関わるため、正確な理解と慎重な対応が求められます。

アメリカ移民法に関するご相談は、経験豊富なカリフォルニア州弁護士までお気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な事案については、必ず弁護士にご相談ください。

カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和

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