2025年5月のカリフォルニア州弁護士会(State Bar of California)理事会にて、司法試験に関する重要な決定が下されました。2025年2月試験を受験した方々にとって関心の高い「仮ライセンス制度」の承認、受験料免除制度、そして今後検討されている追加救済措置などの最新情報をまとめました。
1. 仮ライセンス制度(Provisional Licensure Program)の承認
カリフォルニア州弁護士会は、2025年2月司法試験の受験者に対して仮ライセンス制度の導入を正式に承認しました。この制度により、一定の要件を満たした受験者は一時的に実務を行うことが可能になりますが、今後2年以内にカリフォルニア州司法試験に合格する必要があります。
2. 受験料免除制度の実施
受験者の経済的負担を軽減するため、以下の試験について受験料の免除制度が導入されました。
- 2025年7月試験
- 2026年2月試験
- 2026年7月試験
いずれか1回のみ免除が適用されます。2025年7月試験に登録済みの方で2026年に延期したい場合は、出願の取り下げを行い、免除を翌年の試験に適用することが可能です。
3. MBE(Multistate Bar Examination)の復活
カリフォルニア州最高裁は、2025年7月試験においてMBE(全米共通選択式試験)を再導入するよう命じました。これにより、全国的に整合性の取れた評価が行われることになります。
なお、今回のMBE再導入は2025年7月限定であり、2026年以降も継続されるかは未定です。2026年の受験を検討している方は、Kaplan社などの過去問を活用する可能性も視野に入れて準備を進めましょう。
4. 現在検討中の追加救済措置
現在、以下の追加的な救済措置が理事会にて検討中です:
- 再採点された答案について、各設問でより高いスコアを正式スコアとして採用
- 惜しくも不合格となった受験者に対する上訴プロセスの導入
- 2025年7月試験においてパフォーマンステストのみの再受験を許可し、そのスコアを2025年2月試験に適用可能とする案
最後に
今回の動きは、2025年2月試験の受験者にとって大きな意味を持つものです。仮ライセンス制度や受験料免除制度により、一時的な支援が得られる一方、正式な救済措置の決定は今後に委ねられています。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア弁護士・日本弁護士
田中良和