田中良和国際法律事務所

カリフォルニアで飲酒運転で捕まったら?裁判の流れ・免許停止・ビザ問題まで徹底解説


カリフォルニアで飲酒運転(DUI)で逮捕されると、複雑な法的プロセスが待ち受けています
「どうなるの?」「免許は使えなくなる?」「ビザに影響は?」…不安を解消するため、わかりやすく解説します!

ビザでアメリカに滞在中にDUIで逮捕されたら、DUIに詳しいだけでなく、移民法にも詳しい弁護士を探してください。
移民法の理解がないと、DUIで日本に帰国することになります


警察に飲酒運転の疑いで止められた場合の検査内容
「飲酒運転の疑いあり」と警察が判断した場合、3つの検査が行われます

  • 呼気検査(PAS:Preliminary Alcohol Screening)
   路上で行う簡易検査。BACが0.08%以上で逮捕の対象に
   ※21歳以上は検査を拒否できますが、免許停止1年のリスクあり
  • 血液検査
   警察署や病院で実施。呼気検査より正確で、裁判の証拠として使われます。
    ※カリフォルニア州の「黙示の同意法」により、検査拒否は免許停止1年+刑事罰の対象に

(ポイント)呼気検査より血液検査の方が正確な数値が出ますし、検査までの時間がかかるので、警察には血液検査を依頼しましょう

• フィールドソブリエティテスト(FST)
酔っぱらい度をチェックする「身体テスト」。
主な内容は:
o まっすぐ歩いて戻る(Walk-and-Turn)
o 片足を上げて30秒静止(One-Leg Stand)
o 目を動かして眼球の震えを確認(Horizontal Gaze Nystagmus)
※FSTは自発的な協力が前提で、拒否しても罰則なし(ただし逮捕リスクは上昇)

  (ポイント)検査内容は録画し、ポリスレポートも作成され、裁判の証拠になります

カリフォルニアのDUI裁判は、主に以下の流れで進みます

  1. 初回出廷(アレインメント)
    o 罪状認否(「有罪」「無罪」「無答弁」)を答えます
    (ポイント)裁判は、弁護士に依頼して対応してもらうことをお勧めします
    カリフォルニアのDUI裁判は、主に以下の流れで進みます
  2. プレトライアル・交渉
    o 検察と量刑の条件(罰金・講習・執行猶予など)を協議
    o 初犯なら「軽犯罪(ミスディーミナー)」での決着を目指す
  3. 判決・執行
    有罪判決の場合、罰金・コミュニティサービス(ボランティア)・DUIスクール受講などが科されます

DUI逮捕後、免許に関しては2つの停止パターンがあります。


• 行政処分(DMV)
逮捕から30日後、自動的に免許停止(初犯なら4ヶ月)
10日以内にDMVヒアリングを請求すれば、一時免許を30日間保持可能


• 刑事処分(裁判所)
有罪判決後、6ヶ月~1年の免許停止
ただし、制限付き免許(通勤・通学のみ)を申請できる場合も!

(ポイント)通勤で車を使っている人は、制限付き免許を申請して、引き続き車で通勤できるように申請しましょう


有罪判決後、DUIプログラム(飲酒運転者講習)の受講が義務付けられます。
• プログラム期間
o 初犯・BAC低め:3ヶ月(30時間)
o 初犯・BAC0.20%以上:9ヶ月(60時間)
o 再犯:18~30ヶ月
費用は600~600~2,500程度。未受講だと免許復旧不可なので絶対にサボらないで!


DUIで逮捕・有罪判決を受けると、ビザの効力や将来の渡航に深刻な影響が出る可能性があります。特に非移民ビザ(H-1B、F-1、Eなど)や永住権(グリーンカード)申請中の方は要注意!

  1. ビザの即時取消リスク
    • 逮捕時されると、ビザが自動キャンセルされる場合があります。たとえ無罪判決でも、ビザは復活しません
    • 例:H-1Bビザ保持者がDUIで逮捕されると、次回の出国・入国時にビザが無効化され、再申請が必要に
  2. 再申請時のハードル
    • ビザ再申請時は必ず逮捕歴・有罪歴を申告し、以下の書類が必要です:
    裁判記録(判決文・処分完了証明)
    DUIプログラム修了証明
    罰金支払い済みの領収書
    • メディカルチェックが義務付けられるケースも
  3. ESTA利用不可
    • DUI逮捕歴があるとESTA(ビザ免除プログラム)が使えなくなり、観光・出張でもB1/B2ビザの申請が必要です
  4. 永住権(グリーンカード)申請への影響
    • 単発のDUIでは直接的な拒否理由になりませんが、10年以内に4回以上のDUIは「重犯罪(Felony)」扱いで強制送送の対象に
    • 永住権面接時には、罪を償った証明(罰金支払い・プログラム修了など)が必須。未完了の場合、審査が長期化または却下されます
  5. 入国時の追加審査
    • ビザを取得しても、入国時に「二次審査」でDUI歴を質問される可能性が。
    • 警察や裁判所の記録を携帯し、「反省と更生の意思」を明確に伝えることが重要です

  1. 弁護士の早期介入:
    DUIだけでなく、移民法にも詳しい弁護士と連携し、ビザ戦略を検討

(ポイント)本来アメリカに引き続き居住できるケースでも、弁護士がDUIに詳しいだけで移民法に詳しくなければ、DUIで有罪になっただけで日本に帰国することになります。DUIにも移民法にも両方に詳しい弁護士に相談を

  1. 処分の完全完了:罰金・DUIプログラム・社会奉仕を絶対にサボらない。未完了はビザ拒否の原因に
    DUI有罪歴があっても、適切な対応でビザや永住権の取得は可能です
    「自分で解決しようとせず、まずは専門家に相談」を徹底してください! ⑤海外渡航に影響する?DUIの意外なデメリット
    「アメリカ国内だけの問題でしょ?」と思ったら大間違い!

    • カナダ
    DUI有罪歴があると原則入国不可。カナダではDUIは重罪として扱われています。

• オーストラリア・ニュージーランド
ビザ申請時に犯罪歴申告が必須。審査が長期化する可能性も。

• 日本
日本の法律では直接罰則なしですが、米国での犯罪歴がビザ更新時に影響するケースも。
渡航予定がある方は、弁護士に相談して渡航証明書(Letter of Good Conduct)を準備しましょう!


免許停止や渡航制限を最小限にするには、弁護士の早期介入が不可欠です。
「自分は大丈夫」と思わず、専門家に相談してくださいね。



カリフォルニア拠点(サンフランシスコ・ベイエリア・ロサンゼルス)
カリフォルニア弁護士・日本弁護士
田中良和

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