DUI(Driving Under the Influence)=飲酒・薬物の影響下での運転は、カリフォルニア州で非常に重く取り締まられている違反行為です。
この記事では、「どのような状態がDUIと判断されるのか」について、アルコール・マリファナ・薬物の各パターンを解説します。
1. アルコールによるDUI:血中アルコール濃度(BAC)の基準
カリフォルニア車両法(Vehicle Code 23152)に基づき、以下の血中アルコール濃度(BAC)を超えた場合は、それだけでDUIとみなされます(「Per Se DUI」)。
- 21歳以上の一般ドライバー:0.08%以上
- 21歳未満のドライバー:0.01%以上(ゼロ・トレランス)
- 商業用車両の運転手:0.04%以上
- DUI違反後の保護観察中のドライバー:0.01%以上
例:ビールやワイン、ウイスキーなどを飲んだ量が少なくても、体質や体重によってはBACが基準を超えることがあります。
2. マリファナによるDUI:数値基準はなく、「影響」が重要
カリフォルニアでは娯楽用マリファナが合法化されていますが、使用後に運転し、運転能力が低下していればDUIとされます。
- 血液中のTHC(テトラヒドロカンナビノール)に明確な法的上限はありません。
- 警察官による挙動観察、身体検査、FST(フィールド・ソブライエティ・テスト)などの結果が証拠となります。
- 血液検査でTHCが検出されれば、状況次第でDUIとして起訴されます。
合法であっても「安全に運転できる状態であること」が求められます。
3. 処方薬・市販薬によるDUI:合法でも運転能力が低下していれば違反
たとえ医師から処方された薬であっても、運転能力に影響を及ぼす成分が含まれていればDUIとなる可能性があります。
例:
- 睡眠導入剤(ゾルピデムなど)
- 抗うつ薬、抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)
- 鎮痛薬(オピオイド系:オキシコドンなど)
- 風邪薬・アレルギー薬(眠気を催す成分を含む)
薬の説明書に「運転は避けてください」と記載されている場合は特に注意が必要です。
4. 違法薬物によるDUI:明確に違法
以下のような違法薬物を使用後に運転した場合は、DUIに加えて薬物所持や使用の罪に問われる可能性があります。
- コカイン
- メタンフェタミン(覚せい剤)
- LSDやMDMA(エクスタシー)
- ヘロインなどの麻薬類
血液や尿の検査結果が証拠となり、刑事処分が加重されることがあります。
まとめ:DUIはアルコールだけでなく「運転能力の低下すべて」が対象
カリフォルニア州のDUIは、アルコール・マリファナ・合法/違法を問わない薬物の影響により、運転能力が低下している状態を広く対象としています。
「合法だから大丈夫」「処方薬だから安心」と思い込まず、少しでも不安がある場合は運転を控えるのが賢明です。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を構成するものではありません。個別のケースについては、カリフォルニア州の弁護士にご相談ください。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和