田中良和国際法律事務所

カリフォルニア州でDUIに問われた場合の対処法と帰国について

カリフォルニア州で飲酒運転(DUI)で逮捕された場合、多くの日本人が「すぐに帰国できるのか」という疑問を抱きます。この記事では、DUI事件における法的手続きと帰国の可能性について解説します。

  1. DUI事件の基本的な流れ
  2. 弁護士による代理出席の可能性
  3. 刑の執行における選択肢
  4. 帰国のタイミングと注意点
  5. 帰国前に確認すべき事項
  6. 重要な注意事項(法的リスク・入管影響)
  7. 専門家への相談の重要性
  8. まとめ
  9. 免責事項

カリフォルニア州でDUIに問われた場合、一般に以下の手続きが進みます:

  1. 逮捕・釈放
  2. 刑事裁判手続き
  3. DMV聴聞会(運転免許関連)
  4. 判決・刑の執行

刑事裁判における代理出席

  • 軽犯罪(Misdemeanor)のDUI事件では、弁護士による代理出席が一般的に認められています。
  • 重犯罪(Felony)のDUI事件では、本人の出廷が原則必要です。
  • 裁判官の裁量により、特別な事情がある場合は例外的な取り扱いがなされることもあります。

代理出席のメリット

  • 本人が物理的に法廷にいる必要がない
  • 仕事や家庭の事情で帰国が必要な場合に対応可能
  • 専門的な法的知識を持つ弁護士が適切に対応

DUIで有罪となった場合の一般的な刑罰には以下があります。

社会奉仕活動(Community Service)

  • 伝統的には地域でのボランティア活動。
  • 代替案として以下のような選択肢がある場合があります(裁判所等の承認が前提):
    ・罰金による代替
    ・オンラインでの教育プログラム受講
    ・日本国内での同等の社会貢献活動(要承認)

その他の刑罰

  • 罰金
  • 保護観察(Probation)
  • アルコール教育プログラム
  • 運転免許停止

帰国が可能なケース

  1. 保釈中の帰国
    裁判所の許可が得られれば可能。パスポートの提出が求められる場合あり。
  2. 軽犯罪での代理出席が認められる場合
    弁護士に完全委任。定期的な連絡体制の構築が必要。
  3. 判決後の早期帰国
    社会奉仕の代替措置が承認された場合や、保護観察条件を満たす場合。
  • 保護観察の条件:州外・国外移動の制限
  • 未解決の法的義務:罰金の支払い、教育プログラムの完了
  • 将来の米国入国への影響:犯罪歴による入国審査への影響

法的リスク

  1. 逃亡と見なされるリスク:適切な手続きなしに帰国した場合。将来的な米国入国拒否の可能性。
  2. 保護観察違反:許可なく州外・国外に出た場合。追加の刑事処罰の可能性。

ビザ・入国管理上の影響

  • ESTA・ビザウェーバープログラムの利用不可となる可能性
  • 将来のビザ申請時の不利
  • 永住権保持者の場合の特別な考慮事項
  • 経験豊富なDUI専門弁護士への相談が不可欠
  • 移民法の専門家との連携も重要

カリフォルニア州でのDUI事件において、適切な法的手続きを踏めば日本への帰国が可能な場合があります。しかし、これは決して「すぐに逃げ帰れる」という意味ではありません。

  • 弁護士による代理出席は条件付きで可能
  • 社会奉仕の代替措置は要承認
  • 適切な手続きなしの帰国は重大なリスクを伴う
  • 専門家への早期相談が成功の鍵

法的問題に直面した際は、必ず資格を持つ専門家に相談し、適切な手続きを踏むことが重要です。短期的な解決を求めるあまり、長期的により深刻な問題を引き起こすことのないよう、慎重な対応が求められます。


免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。具体的なケースについては、必ず資格を持つ弁護士にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

DUIで逮捕された後、すぐに日本へ帰国できますか?

ケースによります。保釈条件や裁判所の許可、弁護士の代理出席可否などの要件を満たせば可能な場合があります。

社会奉仕は日本で代替できますか?

裁判所等の承認が前提ですが、同等の社会貢献活動での代替が認められる場合があります。

DUIは将来の米国入国に影響しますか?

状況によってESTAの利用不可やビザ審査での不利につながる可能性があります。移民弁護士へご相談ください。

カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和

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