カリフォルニア州では、従業員は職場ハラスメントから法的に保護されており、被害者には複数の対処方法があります。この記事では、パワハラの被害者が取るべき具体的なステップと法的選択肢について解説します。
パワハラとは何か
カリフォルニア州には「パワハラ」という法律用語は存在しませんが、「侮辱的行為(Abusive Conduct)」や「ハラスメント(Harassment)」は禁止されています。
- 身体的な暴力や脅迫
- 過度な叱責や侮辱的言動
- 意図的な無視や孤立
- 過剰な業務の押し付け
- 不合理な降格・解雇
パワハラ被害時の対処法
1. 証拠の保全
- 記録を残す:日時・内容・目撃者などを詳細に記録
- 関連資料の保存:メールや評価書など
- 医療記録の取得:精神的ダメージがある場合の診断書
裁判では、証拠の有無が結果におおきく影響します
2. 社内の通報制度の活用
- 会社のハラスメントポリシーを確認
- 担当部門に書面で報告
- 会社の対応を記録しておく
3. 政府機関への申立て
内部対応が不十分な場合、公的機関へ申立て:
- CRD(旧DFEH): カリフォルニア州民権局
- EEOC: 連邦雇用機会均等委員会
申立て期限(180〜300日)があるため、迅速な行動が重要です。
4. 訴訟手続き
- 労働問題に強い弁護士に相談
- 損害(収入減、医療費、精神的苦痛など)を算定
- Right to Sueレターを取得して訴訟を開始
カリフォルニア州のパワハラ賠償事例
- 技術企業: 人種的ハラスメント → $3,500,000
- 小売店: 店長による侮辱 → $1,200,000
- 医療機関: 医師の報復行為 → $750,000
- 製造業: 組織的パワハラと解雇 → $4,200,000
結論
カリフォルニア州では、ハラスメントから従業員を守る法制度が整っています。
パワハラの被害を受けた場合、証拠の収集・社内通報・行政機関への申立て・訴訟という流れを意識しましょう。
弁護士への早期相談が、問題解決の第一歩です。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。個別の状況については、必ず弁護士にご相談ください。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ・ベイエリア・ロサンゼルス)
カリフォルニア弁護士・日本弁護士
田中良和