2025年9月9日、カリフォルニア州は州として認められてから175周年を迎えました。1850年9月9日、当時のミラード・フィルモア大統領が「1850年妥協(Compromise of 1850)」に署名したことで、カリフォルニア州はアメリカ合衆国の31番目の州として正式に加わりました。
この節目を迎えた今、私たちはカリフォルニア州の歴史的な歩みと、アメリカ社会における役割を改めて振り返ることができます。
州成立の背景
グアダルーペ・イダルゴ条約と領土拡大
1848年、米墨戦争を終結させたグアダルーペ・イダルゴ条約により、アメリカ合衆国は現在のカリフォルニア州を含む広大な南西部の領土を獲得しました。州昇格のわずか2年前の出来事です。
ゴールドラッシュの始まり
条約締結直後、1848年にジェームズ・マーシャルが北カリフォルニアで金を発見。これが有名なゴールドラッシュの引き金となり、数十万人の入植者が一気に流入し、カリフォルニアの人口と経済は爆発的に成長しました。
日本で起きていた出来事との比較
1850年前後の日本は、**江戸時代末期(幕末)**にあたり、黒船来航を目前に控えた大きな転換期でした。
- 1853年:ペリー提督が浦賀に来航し、日本の開国を迫る
- 1854年:日米和親条約の締結
当時の日本はまだ鎖国体制を維持し、武士を中心とした封建社会が続いていました。これに対して、カリフォルニア州はわずか175年の歴史しか持たないにもかかわらず、金鉱発見を契機に急速に発展し、現在ではアメリカ経済・文化の中心のひとつとなっています。
この比較から見ても、カリフォルニアの発展スピードは極めて異例だといえます。
1850年妥協とカリフォルニア州の誕生
カリフォルニアが合衆国に加わったのは、アメリカの南北対立が深刻化する中での政治的妥協の結果でした。1850年妥協は、自由州と奴隷州のバランスを取るための包括的合意であり、その一環としてカリフォルニアは自由州として加盟しました。
ニューサム知事の声明
2025年9月9日、ギャビン・ニューサム州知事は「カリフォルニア建国175周年」を記念する声明を発表しました。その中でニューサム知事は、カリフォルニア州がアメリカの歴史を通じて「アメリカンドリームの実現を先導してきた」と称賛し、移民、多様性、革新の拠点としての役割を強調しました。
まとめ
カリフォルニア州の175年は、ゴールドラッシュからテクノロジー革命まで、常にアメリカ社会を牽引する歴史でした。
日本がまだ江戸幕府のもとで鎖国を続けていた同時代に、カリフォルニアはすでに国際的な移民を受け入れ、世界経済を揺るがすような発展を遂げていたのです。
歴史の浅さにもかかわらず、ここまで急速に成長してきた州は世界的にも珍しい存在といえるでしょう。
(免責事項:本記事は歴史的事実と公開情報に基づく一般的な解説であり、法律的助言を目的とするものではありません。)
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和
会社設立サイト
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