アメリカ出張中に、思わぬトラブルで警察に逮捕されるケースの中でも多いのが、**飲酒運転(DUI: Driving Under the Influence)**です。
短期出張中の方にとって、「裁判が始まる前に日本に帰国しなければならない」「帰国したらどうなるのか」「代理人弁護士が出廷できるのか」といった不安は大きいでしょう。
本記事では、**「DUIで逮捕されたが、すぐに帰国しても問題ないか?」**という点について、解説します。
1. DUIの逮捕から裁判までの一般的な流れ
カリフォルニア州では、DUIで逮捕されると次のような流れになります。
- 現場での逮捕(血中アルコール濃度0.08%以上が基準)
- 一時的な拘留・釈放(保釈金支払い後など)
- 刑事裁判の日程(Arraignment)が指定される
- 弁護士が代理で出廷し、交渉・手続を進めることが可能
多くの場合、初回の出廷日(Arraignment)では、弁護士が代理で出席できるため、本人がアメリカに残る必要はありません。
2. 弁護士が代理出廷できる場合、日本に帰国しても問題ない
カリフォルニア州刑事訴訟法では、軽罪(misdemeanor)に該当するDUIであれば、弁護士が被告人の代理として裁判に出廷することが認められています。
つまり、被告人本人が出廷しなくても、弁護士がすべての手続きを進めることが可能です。
したがって、
✅ 信頼できるカリフォルニア州弁護士に依頼している場合、日本に帰国しても問題ありません。
弁護士があなたの代理として法廷に出席し、裁判手続きを行い、必要に応じて示談・認罪交渉(plea bargain)も進めることができます。
3. 注意点:帰国前に必ず確認すべき3つの事項
- 弁護士が「代理出廷可能なケース」であることを確認する
→ felony(重罪)に格上げされた場合は本人出廷が必要になることもあります。 - 裁判所に連絡先を正確に登録しておく
→ 裁判所からの通知が届かないと「出廷命令違反(failure to appear)」扱いになる可能性があります。 - 弁護士と継続的に連絡を取る体制を作る
→ Zoom面談やメールで進捗を確認し、弁護士が正式に代理権を行使できるようにしておきましょう。
4. 出廷命令に応じないまま帰国した場合のリスク
もし弁護士を立てずに帰国してしまうと、裁判所は**出廷命令違反(Bench Warrant)**を発行する可能性があります。
この場合、次に米国に入国した際に、空港で拘束・逮捕されるリスクがあるため、非常に危険です。
⚠️ 帰国前に必ずカリフォルニア州弁護士に正式に代理を依頼することが最重要です。
まとめ
- DUIで逮捕されても、軽罪(misdemeanor)であれば弁護士による代理出廷が可能。
- 信頼できるカリフォルニア州弁護士を選任すれば、すぐに帰国しても問題なし。
- 弁護士が代理人として出廷・交渉・判決受領まで行うことで、本人不在のまま処理可能なケースが多い。
- 弁護士なしで帰国すると、「出廷命令違反」で将来的に米国入国時に拘束されるリスクがある。
免責事項
本記事は一般的な法的情報の提供を目的としたものであり、具体的な案件に対する法的助言ではありません。個別の事案については、必ずカリフォルニア州弁護士にご相談ください。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和