米国への留学を考えている方にとって、F-1ビザの取得とその正確な理解は、留学計画の重要な第一歩です。F-1学生ビザの基本、申請プロセス、そして特に重要な就労に関する規定について、最新の情報をもとに解説します。
F-1ビザとは?
F-1ビザは、米国の大学、カレッジ、語学学校、高校などの認定された学術機関に通うフルタイムの学生向けの非移民ビザです。ビザ保持者は学業を主目的とし、正規のカリキュラムに沿って学ぶことが求められます。
他の学生ビザの種類
- J-1ビザ:文化交流プログラムや交換留学生向け(例:大学間交流や政府支援プログラムなど)
- M-1ビザ:職業訓練学校や技術系プログラム等、非アカデミックな教育課程の学生向け
F-1ビザの申請プロセス
- I-20フォームの取得
米国の教育機関に合格し、入学許可を得た後、学校からI-20フォーム(Certificate of Eligibility)が発行されます。 - SEVIS費用の支払い
I-20に記載された情報に基づき、SEVIS(Student and Exchange Visitor Information System)費用を支払います(現在$350)。 - DS-160オンライン申請書の提出
ビザ申請のためのオンラインフォームDS-160を正確に記入・提出します。 - ビザ面接の予約と受験
日本国内の米国大使館または領事館にてビザ面接を予約し、必要書類(パスポート、I-20、支払い証明等)を持参して面接を受けます。
F-1ビザ保持者の就労条件
F-1ビザ保持者は、厳しく制限された条件のもとでのみ就労が許可されています。
1. キャンパス内での就労(On-Campus Employment)
- 在学中は週20時間まで、休暇中はフルタイム就労が可能
- 大学のカフェテリア、図書館、研究所などが該当
- 特別な申請は不要だが、I-20の有効性とSEVIS登録の維持が条件
2. カリキュラム実践訓練(CPT: Curricular Practical Training)
- 専攻分野に直接関連するインターンシップや実習が対象
- 単位取得が必要なケースや必修プログラムとしての位置づけが必要
- 原則として1学年間のフルタイム在籍後に利用可能
- DSO(指定学校担当官)の承認とI-20へのCPT記載が必須
- 12ヶ月以上のフルタイムCPTを行った場合、OPTの利用資格を失う可能性があります
3. 卒業後実務訓練(OPT: Optional Practical Training)
- 卒業前後にわたって、専攻分野に関連する職種での就労が可能
- 合計最長12ヶ月間の就労が可能
- STEM(科学・技術・工学・数学)専攻の場合はさらに24ヶ月の延長申請が可能
- USCIS(米国市民権・移民局)への申請と就労許可証(EAD)の取得が必要
4. 深刻な経済的困難による就労(Severe Economic Hardship)
- 入国後、予期せぬ経済的困難により学費や生活費が困難になった場合に申請可能
- DSOの推薦とUSCISへの申請・承認が必要
- 学期中は週20時間までの学外就労が認められる可能性あり
F-1ビザの就労規定違反とリスク
F-1ビザの規定に違反した場合、下記のような重大な影響を受ける可能性があります:
- ビザステータスの喪失
- 不法滞在(Unlawful Presence)とみなされる可能性
- 将来のビザ申請・入国に支障をきたす可能性
- 強制退去処分や再入国禁止
F-1ビザ取得前に受けるべき法的アドバイス
米国の移民法は非常に複雑で、定期的に変更されます。F-1ビザの取得や維持、CPT/OPT申請、就労に関するルールは特に厳格であるため、留学前に経験豊富な移民弁護士からのアドバイスを受けることを推奨します。
当事務所のサポート内容
田中良和国際法律事務所では、F-1ビザの取得・更新、CPT/OPT就労申請、ビザステータスの維持に関する個別相談を承っています。
- ビザ面接の準備
- I-20関連の質問対応
- 難易度の高いOPT/STEM OPTの戦略的申請
- ステータス違反後の救済措置(Reinstatementなど)
安心して新たな学びとキャリアをスタートできるよう、法的側面から包括的にサポートいたします。お気軽にご相談ください。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア弁護士・日本弁護士
田中良和