カリフォルニア州では、刑事事件の大半が司法取引(Plea Bargain)によって解決されています。もしあなたやご家族が刑事事件に関与してしまった場合、司法取引が有力な選択肢となる可能性があります。
2025年時点の最新情報に基づき、カリフォルニアの司法取引制度の概要・対象事件・実務戦略・日本との違いを、解説します。
カリフォルニア州における司法取引の実態
カリフォルニア州の刑事事件の約97%が司法取引によって終結しているとされています(複数の実務家報告に基づく推計)。
これは、裁判を回避することで時間・費用・社会的リスクを軽減することが目的です。
司法取引が活用されやすいケース
- 軽犯罪(窃盗、軽度の薬物所持など)
- 初犯の若年層
- 証拠が明確で、有罪判決の可能性が高い事件
- 被害者との示談が成立している場合
カリフォルニアの司法取引の法的根拠
カリフォルニア州では、司法取引は明文化された包括的な法律ではなく、以下のような刑法および判例法に基づいて運用されています。
主な関連法条
- Penal Code § 1192.5:裁判官が量刑合意に同意しない場合、被告人は有罪答弁を撤回できる。
- Penal Code § 1192.7:重大犯罪(殺人・強姦など)は司法取引の制限対象となる場合がある。
日本の司法取引制度との違い
日本の司法取引制度(2018年導入)
日本では2018年に導入された「協議・合意制度」によって、協力型司法取引が可能となりました。これは、他人の犯罪立証に協力する見返りに、自身の処分を軽減するという制度です。
制度の違い:日本 vs カリフォルニア
項目 | カリフォルニア(米国型) | 日本(協力型) |
---|---|---|
対象 | ほぼすべての犯罪 | 経済・汚職・組織犯罪など |
目的 | 自己の罪を軽減 | 他人の立証への協力 |
手続き | 裁判官の最終承認あり | 書面合意・裁判所提出 |
実施件数 | 非常に多い | 年間数件程度 |
実務での司法取引戦略:重視すべきポイント
司法取引は単なる量刑交渉ではなく、戦略的な判断が求められます。
- 起訴前から交渉を始め、主導権を握る
- 証拠の強さ、世論、再犯リスクを踏まえた提案
- 裁判官の傾向も分析して対応する
- 可能であれば不起訴、訴え取り下げや減刑を交渉
経験豊富な弁護士による対応が、司法取引の成否を大きく左右します。
まとめ
- カリフォルニアの刑事事件の約97%が司法取引で解決
- 日本の制度とは目的・構造が根本的に異なる
- 弁護士の交渉力と戦略が成功のカギ
刑事事件でお困りの方は、早期の法的対応が極めて重要です。
当事務所では、カリフォルニア州における刑事弁護と司法取引に精通した弁護士が、相談を承っております。
- カリフォルニア州弁護士による対応
- 日本語対応可・日本人の方も安心
- 早期対応で訴え取下げ・軽罪への変更実績多数
この記事は法的なアドバイスを提供する者ではありません。個別の案件については必ず専門の弁護士にご相談ください。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア弁護士・日本弁護士
田中良和