田中良和国際法律事務所

カリフォルニアでDUI(飲酒運転)で逮捕されたときの対応方法

カリフォルニア州では、飲酒または薬物の影響下で運転すること(DUI: Driving Under the Influence)は犯罪とされており、刑事手続きの対象となります。DUIで逮捕された場合には、その後の対応が今後の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。本記事では、DUIで逮捕された際に取るべき行動や注意点について、法律の専門家の視点から分かりやすく解説します。

警察に止められた場合、以下の点に注意してください。

  • 冷静に対応する:警察官に対して口論したり、攻撃的な態度を取ることは避けましょう。協力的で礼儀正しい態度が望まれます。
  • 質問には簡潔に答える:名前、住所、運転免許証の提示など、基本的な情報提供は法律上の義務です。

DUIで逮捕された場合、次のステップは非常に重要です。

  • 保釈(Bail):通常は数百〜数千ドルの保釈金が設定されます。
  • 弁護士への連絡:できるだけ早く刑事弁護に詳しい弁護士に相談してください。移民ステータスを持つ方(留学生、駐在員など)は、移民法の観点からの助言も必要になる場合があります。

DUIで逮捕されると、警察は運転免許証を没収し、30日間有効な一時的免許(pink slip)を発行します。同時に、DMV(カリフォルニア運輸局)による行政手続きが開始されます。

  • 10日以内にDMVヒアリングを請求:これを怠ると、自動的に免許停止になります。
  • 弁護士による代理申請も可能:多くのDUI弁護士は、DMVと刑事の両手続きをサポートしています。

DUIは刑事事件として扱われ、裁判所での手続きが必要になります。

  • Arraignment(罪状認否):最初の出廷日。弁護士を通じて欠席が認められることもあります。
  • 司法取引(プレディール)や裁判:証拠の強さ、前科の有無、事故の有無などによって結果が大きく変わります。

初犯(First Offense DUI)であっても、以下のような処分が科される可能性があります。

処分内容詳細
罰金約$1,500〜$2,500(各種費用込み)
運転免許停止6か月〜1年(条件付きで制限付き免許の取得可)
DUI教育プログラム通常3か月〜9か月
保護観察(Probation)通常3年(刑務所なし)
SR-22保険証明の提出ハイリスク運転者向け保険加入が必要

※飲酒運転で事故を起こした場合や、血中アルコール濃度(BAC)が0.15%以上の場合は、上記よりも重い処分となることがあります。

  • 10年以内の再犯:再犯者にはより厳しい処分が下される可能性が高く、実刑のリスクも増します。
  • 未成年者同乗、事故、負傷者あり:加重DUI(Aggravated DUI)となり、重罪(Felony)に分類される可能性があります。
  • 移民・ビザへの影響:DUIがビザ更新や入国に支障を来す場合もあり、特に非移民ビザ保有者は注意が必要です。

まとめ

カリフォルニアでDUIにより逮捕された場合は、早急に専門の弁護士に相談し、法的手続きを適切に進めることが重要です。前科の有無や状況によっては、軽減措置を得られる可能性もあるため、初期対応が将来を左右します。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の事案に対する法的助言ではありません。個別のケースについては、必ずカリフォルニア州の弁護士にご相談ください。

カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和

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