はじめに
現在、連邦議会で審議中の Protect Our Communities from DUIs Act(H.R.6976) という法案が、飲酒運転(DUI)の移民法上の扱いを大きく変える可能性があります。
この法案が成立すると、グリーンカード保持者や留学生を含む非市民が、たった一回のDUIで強制送還の対象になる可能性があります。これまで以上に厳しいルールになるため、知っておくことがとても重要です。
法案の内容
1. アメリカに入国できなくなる可能性
法案が通ると、以下のどれかに当てはまる場合、入国が拒否されます。
- DUIで有罪判決を受けた
- DUIをしたと認めた
- DUIにあたる行為をしたと認めた
つまり、裁判で有罪にならなくても、自分で認めた場合でも対象になります。
2. 強制送還の対象が拡大
州ごとの軽罪・重罪の区別に関係なく、DUI関連の有罪判決があると強制送還される可能性があります。
たとえ軽微な違反でも、移民法上は非常に重大な結果になります。
なぜ一回のDUIでも危険なのか
これまでの制度では、DUI一回で即強制送還になるケースは限られていました。
しかし、この法案が成立すると、次のようなケースも対象になります。
- 起訴が取り下げられたのに、自白してしまった場合
- 司法取引で軽い罪に変わった場合
- 何年も前の出来事でも、記録や発言が残っている場合
ポイントは「有罪判決」だけでなく「自白」も危険だということです。
誰に影響があるのか
- 永住権(グリーンカード)保持者
- 学生ビザや就労ビザで滞在している人
- 永住権申請中の人
- アメリカ国外に出て再入国する予定がある人
特に家族がアメリカにいる人にとっては、強制送還による家族分離のリスクが高まります。
今できる対策
- アメリカ国外への渡航予定がある場合は特に注意
- DUIで逮捕されたら、刑事弁護士と移民弁護士の両方にすぐ相談
長期的な準備
- 永住権保持者は、市民権申請を早めに検討
- DUI防止のため、飲酒時は必ず代行や配車アプリを利用
法案の現状
- 2024年6月に下院で可決
- 現在、上院で審議中
- 一部議員の強い支持があり、成立の可能性は高いとされています
まとめ
「一回くらい大丈夫」という考えは、これからは非常に危険です。
この法案が通れば、DUIは移民にとって人生を一変させる重大な事件になります。
- 有罪判決はもちろん、自白もリスク
- 軽い違反でも移民法上は重大
- 市民権がない限り、国外退去の可能性あり
自分や家族を守るために、飲酒運転は絶対に避けること、そして移民法の動向を常にチェックすることが大切です。
免責事項
この記事は2025年8月26日時点の情報に基づいています。法案の内容や審議状況は今後変わる可能性があります。具体的な状況については、必ず移民法に詳しい弁護士にご相談ください。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和