カリフォルニア州で離婚裁判を提起するときに、離婚裁判を提起すると、夫が生活費を払うのをストップしてしまう可能性が高いので、困る。離婚が成立するまでの間、夫から義務として生活費をしはらってもらう方法はないか、という相談をよく受けます。。裁判所で、Spousal Supportを暫定的に受け取る方法がありますので、紹介します。
カリフォルニア州の離婚手続では、配偶者扶養(Spousal Support)の金額は、離婚が確定する前でも、裁判所によって暫定的(Temporary / Pendente Lite)に決定されることがあります。この暫定的な命令のことを、裁判所が**Tentative Ruling(裁判所の暫定判断)**として発表したものを含めて、実務上 「Tentative Spousal Support Order」 と呼ぶことがあります。
つまり、正式な判決ではないが、当面の生活を維持するために裁判所が一時的に定める扶養額です。
離婚手続が進行している間、多くのケースでは夫婦の収入差が大きいため、低収入側が生活できるように調整される役割をもちます。
なぜ暫定的な扶養命令が必要なのか
離婚の成立や財産分与が完了するまでには、数ヶ月から場合によっては1年以上かかることがあります。その間、収入の少ない側の配偶者が生活費を賄えなくなることを防ぐため、裁判所は次の目的で暫定的扶養命令を出します:
- 生活費の確保
- 家賃や住宅ローンなど、共同生活中に支払われていた費用の継続負担
- 手続中に不当な経済的圧力がかかることを防ぐ
- 双方が公平な条件で交渉・訴訟を進められるようにする
計算方法:Permanent Support とは基準が異なる
暫定的扶養(Temporary / Tentative)は、“生活水準の維持” を重視します。
主に Guideline Calculator(養育費計算ソフト:Dissomaster など) に基づき計算されます。
一方で、離婚成立後に設定される Permanent Spousal Support(恒久的扶養) は、
Family Code §4320 に規定された多様な要素(資産、健康状態、婚姻期間、生活水準等)を総合考慮します。
| 項目 | 暫定的扶養(Tentative / Temporary) | 恒久的扶養(Permanent) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 生活水準の維持 | 長期的な生活の再設計 |
| 計算基準 | ガイドライン(Dissomaster等) | Family Code §4320 要素 |
| 決定時期 | 離婚手続中 | 判決または和解時 |
| 柔軟性 | 比較的機械的 | 個別事情に高度に依存 |
よくある誤解
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| 暫定的扶養=最終の扶養額と同じ | 最終的な扶養額は大きく変わることがあります |
| Tentative Order は拒否できない | 異議申し立てや証拠提出により変更可能 |
| ガイドライン計算は自動的に公正 | 経費・ボーナス・ストック・事業所得など、調整が必要になるケースが多い |
争点になりやすいポイント
- 事業所得の「実際の利益」がいくらか
- ボーナスやRSUなどの変動収入の扱い
- 住宅ローンや家賃の負担割合
- 別居時点の生活費水準がどれほど維持されるべきか
- DV(家庭内暴力)や制裁の影響(Family Code §4325 等)
まとめ
- Tentative Spousal Support Order は、離婚手続中に生活を維持するための暫定的な扶養額です。
- ガイドラインに基づいて計算されますが、収入構造、生活費、証拠提出により結果は大きく変わります。
- Tentative Ruling は争うことが可能です。
免責事項(Disclaimer)
本ブログ記事は一般的情報提供を目的としたものであり、法律上の助言ではありません。具体的な事案については、必ず資格を有する弁護士にご相談ください。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和
