カリフォルニア州にお住まいの方、カリフォルニアに不動産を所有している方に向けて、エステートプランニングについて解説します。
1. エステートプランニングが必要な理由
カリフォルニア州に不動産を所有する日本人が多く、不動産の所有者が亡くなったときは、Probate(遺言検認手続き)が必要になります。
• Probateの平均期間:12~18ヶ月(複雑な場合は数年に及ぶ)。
• 費用:不動産を含む資産総額の最大4~7%が手続き費用として発生。
2. エステートプランニングで必須の4つの法的文書
- リビングトラスト(Living Trust)
・Probate手続を回避し、資産を迅速に移転。
・カリフォルニア州では、不動産がトラスト名義でない場合、Probate必須。 - 遺言書(Will)
・トラストに未記載の資産や未成年の後見人指定に必要。 - 財産管理委任状(Durable Power of Attorney)
・認知症などで判断能力を失った際の資産管理を委任。 - 医療事前指示書(Advance Healthcare Directive)
・治療方針や代理人を事前に指定。
3.日米の両方で不動産を所有している方
不動産の名義変更:
米国式トラストでは日本不動産の承継が困難なため、日本の公正証書遺言を併用する場合も。
4.よくある誤解と対策
• 「資産が少ないから不要」という誤解:
安価でも不動産がある場合はProbateが発生。トラストを作成することでProbate 手続を回避。
• 「遺言さえあれば十分」という誤解:
遺言だけではProbate手続が必須。トラストと組み合わせることで手続きを簡素化。
• 「一度作成すれば終わり」という誤解:
不動産購入や家族構成の変化時に内容を見直す必要あり。
5.まとめ
カリフォルニア州では、資産規模に関わらずエステートプランニングがお勧めです。国際的な資産保有者は特に、日米両方の法律に精通した専門家のサポートを受け、Probateの回避と税金対策を徹底しましょう。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ・ベイエリア・ロサンゼルス)
カリフォルニア弁護士・日本弁護士
田中良和