カリフォルニア州の弁護士が日本人向けにアメリカビザの種類・申請方法・最新事情を解説。学生ビザ(F-1)、企業転勤(L-1)、投資家ビザ(E-2)、H1Bの成功率を上げるコツとは?
アメリカ移住のビザ戦略:厳選4種類と成功のカギ
近年、アメリカビザ取得の難易度が上がっています。カリフォルニア州在住の日本人弁護士として、特に注目すべき4つのビザ種類と2024年の最新トレンドを解説します。
① Fビザ(学生ビザ)|留学→就労のルート
特徴
・F-1ビザ:学位取得プログラム必須(語学学校のみは不可)
・OPT制度:1年間アメリカで就労可能。専攻分野での最大3年間の就労可能(STEM分野)
STEM(ステム)は、英語の「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Mathematics(数学)」の頭文字をとった略称で、主に科学と技術、工学、数学といった理系分野を中心とした教育プログラムのことを指します。STEM教育は、科学技術の発展に対応し、将来的に必要とされる理系の知識や問題解決能力、論理的思考力を育てることが目的とされています。
・カリフォルニア大学システム活用例:UCバークレー卒業後、シリコンバレー企業へ
成功率UPのポイント
→ STEM分野専攻者がOPT期間を3倍に延長可能
→ コミュニティカレッジから4年制大学編入が費用対効果◎ 最初からアメリカの大学に入学するのはハードルが高いですが、比較的入学しやすいコミュニティカレッジに入学してから4年制大学に編入すると4年制大学を卒業しやすい
② L-1ビザ(企業内転勤)
2024年審査厳格化
・L-1A(管理職):年収$150,000以上が目安
・L-1B(専門職):独自技術の客観的証明が必要
・カリフォルニア事例:テック企業のエンジニア転勤
申請の落とし穴
× アメリカ子会社の資本金不足
× 職務内容の具体性欠如
③ E-2ビザ(投資家)|起業家に人気の選択肢
最新条件(2024年7月現在)
・最低投資額:$150,000〜(業種により変動)
・ビジネスプランの収益性証明が必須
・ロサンゼルス成功例:飲食店経営者が取得
Eビザを申請できる国は限定されていますが、日本はEビザを申請できる国の一つです
ビジネスプランがしっかりしていて、投資額が確保できるなら、比較的取得しやすいビザの一つです
④ H1Bビザ|エンジニアが活用しやすい就労ビザ
2024年抽選データ
・応募総数:758,994件
・当選率:14.6%(前年比-3.2pt)
・サンフランシスコ事情:IT人材の年収相場$120,000〜
対策3つの柱
- 修士号取得者の別枠活用
- 非営利団体での就職
- CAP対象外職種の検討
ビザ申請成功率を上げる3つの秘訣
- 現地法人設立のタイミング
→ 最初はスモールスタートで現地法人を設立せずに、ビジネスが軌道に乗ってから設立 - 申請書類の作成方法
→ 職務内容は数値成果を明記
→ 推薦状は具体的事例を記載 - 弁護士依頼のベストタイミング
× 申請直前:NG
○ ビザ戦略策定段階:◎
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ・ベイエリア・ロサンゼルス)
カリフォルニア弁護士・日本弁護士
田中良和