アメリカに長期的に居住・就労するためには、「永住権(Permanent Resident Card)」、通称グリーンカードの取得が必要です。主な永住権申請のカテゴリーと、それぞれの要件について解説いたします。
1. 家族ベースの永住権
アメリカ市民または永住者の家族として申請する場合、以下の要件があります。
- アメリカ市民の配偶者、21歳未満の未婚の子供、または親:即時申請可能(優先枠なし)
- 他の家族(兄弟姉妹、成人した子など):移民ビザの年間上限があるため、待機期間が発生
- 申請者と申請対象者の関係を証明する文書(出生証明書、結婚証明書など)が必要
2. 雇用ベースの永住権
企業などを通じて永住権を取得するには、下記のようなカテゴリーがあります。
- EB-1:卓越した能力を持つ専門職(研究者、教授、経営幹部など)
- EB-2:修士号以上の学位保持者や国家的利益に資する職業
- EB-3:専門職・技能職・その他労働者(求人に対し米国人労働者がいないことの証明が必要)
通常は、PERM労働認定(Labor Certification)、雇用主からのI-140申請を経て、永住権申請へと進みます。
3. 投資ベースの永住権(EB-5)
一定額の投資と雇用創出によって永住権を申請できます。
- 最低投資額:通常は$1,050,000(特定地域では$800,000)
- 10人以上のフルタイム雇用創出が必要
- 合法的な資金源であることの証明
4. 難民・亡命者としての永住権
アメリカで難民または亡命者として認められた方は、1年後に永住権の申請が可能です。人道的配慮に基づく制度です。
5. DV抽選プログラム(Diversity Visa Lottery)
アメリカ移民の少ない国出身者に対して毎年行われる永住権抽選制度です。一定の学歴・職歴要件があります。
6. 永住権申請に共通する主な要件
- 無犯罪証明や健康診断などの身元確認
- 公共の扶助に頼らず生活できることの証明(I-864など)
- 米国内での面接や、ビザセンターでの審査が必要な場合もあり
まとめ
永住権の取得は、申請者の状況により必要な書類・手続きが大きく異なります。特に雇用ベースや家族ベースの永住権では、法的な要件や証明責任が重くなるため、信頼できる移民弁護士のサポートを受けることが重要です。
当事務所では、家族・雇用・投資を含む幅広い永住権申請のご相談を承っております。個別の状況に応じた戦略立案をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は情報提供のみを目的としており、特定の法的助言を構成するものではありません。ご自身の事案については、必ず弁護士にご相談ください。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和