田中良和国際法律事務所

Deed(権利証書)とは?種類と登録方法

不動産の売買や贈与を検討している方に向けて、カリフォルニア州における Deed(権利証書)の基礎知識から、主な種類、正しい登録手続の流れ、必要書類、所要日数、各郡のリンクまでをまとめました。

Deed(ディード)とは、不動産の所有権を正式に他の人へ移転するための法的文書です。カリフォルニア州では、不動産取引を法的に完結させるため、作成した Deed を対象物件の所在地を管轄する郡の Recorder’s Office(レコーダーズオフィス) に登録(Recording)することが必要です。

Deed には通常、以下の3要素が記載されます。

  • Grantor(譲渡人):不動産を譲渡する側
  • Grantee(譲受人):不動産を受け取る側
  • 譲渡する不動産の詳細情報(所在地・地番 APN など)

Deed を正しく作成し、Recorder’s Office に登録することで、譲受人は正式な所有権を第三者に対して主張できるようになります。

種類概要
Grant Deedカリフォルニア州で最もよく使われる形式。譲渡人が「自らの所有権に問題がなく、二重譲渡などをしていない」ことを保証します。
Quitclaim Deed所有権の内容を一切保証せず、現時点で持っている権利をそのまま譲渡する形式。親族間の贈与や信託(Trust)への移転などで広く使われます。
Warranty Deed過去から現在にわたり所有権の瑕疵がないことを包括的に保証する形式。カリフォルニア州の実務ではほとんど使われず、Grant Deed が代わりに用いられます。
Interspousal Transfer Deed配偶者間での不動産移転に使う特別な形式。離婚に伴う財産分与や婚姻中の名義変更などで利用されます。

① Deed の作成と公証

権利移転に関する正確な情報(Grantor・Grantee の氏名、物件の法的説明、地番 APN など)を記載し、公証人(Notary Public)の立会いのもとで署名・認証(Acknowledgment)を受けます。書類フォーマットにも要件があり、用紙サイズは原則 8.5×11 インチ、第1ページ上部には 2.5 インチの余白が必要です。

② Recorder’s Office への提出

対象物件の所在地を管轄する郡の Recorder’s Office に、Deed と必要書類をまとめて提出します。窓口持参・郵送・電子登録(e-Recording)に対応している郡が増えています。

③ 登録(Recording)の完了

書類と手数料が受理されると、Recorder’s Office が受付日時を記録して公的記録に登録します。

④ 登録済み書類の受領

登録完了後、日付・文書番号が入った Deed のコピー(Official Record)が返却または送付されます。

書類内容・ポイント
署名済み Deed公証人によって認証(Acknowledged)されたオリジナル。地番(APN)、納税通知書の送付先住所の記載も必要。
Preliminary Change of Ownership Report(PCOR)所有権変更に関する情報を記載するフォーム。ほぼ全郡で提出が求められます。登録時に未提出の場合、$20 の追加手数料が課されます。
登録手数料郡ごとに異なります。基本料金(第1ページ $14〜$15 程度)に加え、カリフォルニア州全体で SB2 手数料($75/件、上限 $225) が原則加算されます(一定の免除規定あり)。
Documentary Transfer Tax 申告書有償の不動産移転には移転税(全郡一律 $1.10 per $1,000 が基本、市独自税が加算される場合あり)が課されます。贈与などは免除となる場合があります。

支払い方法について:郡によって異なりますが、現在は現金・小切手(Check)・マネーオーダー・クレジット/デビットカード(窓口)など複数の方法に対応している郡が多くなっています。郵送提出の場合は小切手またはマネーオーダーが一般的です。支払先名義は郡の公式サイトで事前に確認してください。

提出方法所要日数の目安
窓口持参即日〜数営業日以内
郵送受領から 2〜4 週間程度
電子登録(e-Recording)※対応郡のみ通常は翌営業日以内〜数営業日

郡や時期によって処理時間は変動します。年末年始・夏季などの繁忙期は遅延することがあるため、余裕をもって手続を進めることをおすすめします。

各郡で提出方法・手数料・受付時間が異なりますので、手続前に必ず公式サイトをご確認ください。

まとめ

カリフォルニア州で不動産を移転する際、Deed は所有権移転に不可欠な法的文書です。目的に応じた種類(Grant Deed・Quitclaim Deed・Interspousal Transfer Deed など)を選び、公証を受けたうえで管轄郡の Recorder’s Office に正しく登録することで、譲受人は法的な所有権の保護を受けることができます。

登録の際は、PCOR をはじめとする必要書類を漏れなく揃え、SB2 手数料や移転税の適用・免除の有無を事前に確認したうえで、余裕をもって手続を進めましょう。個別のケースについてはお気軽にご相談ください。

カリフォルニア拠点(サンフランシスコ・ベイエリア・ロサンゼルス)
カリフォルニア弁護士・日本弁護士 
田中良和

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