FL-100を中心に、セルフ手続の方にもわかりやすく説明
弁護士を付けず、ご自身で離婚手続を進める方もいらっしゃいます。この記事では、そのような方に向けて、離婚手続の最初に記入する主なフォームについてわかりやすく説明します。
カリフォルニアの離婚手続は、決められたフォームを正しく提出することから始まります。最初に提出する書類を間違えると、その後の手続に影響が出ることもあるため、スタート段階の理解は非常に重要です。
1. 離婚手続のスタートは「FL-100(Petition)」
離婚手続の出発点となるのが、**FL-100(Petition—Marriage/Domestic Partnership)**です。
このフォームは単なる申請書ではなく、裁判所に対して以下のような事項について判断を求める重要な書類です。
- 離婚(Dissolution)を求める意思
- 婚姻日・別居日
- 未成年の子の有無
- 財産分与(Property Division)
- 配偶者扶養(Spousal Support)
- 弁護士費用の負担
実務上のポイント
FL-100でチェックしなかった項目は、後から主張が難しくなる場合があります。
例えば、将来スパousalサポートを求める可能性がある場合は、最初の段階でチェックを入れておくことが重要です。
2. 必ずセットで提出する「FL-110(Summons)」
FL-100と同時に提出するのが、**FL-110(Summons)**です。
これは相手方に対して、
- 離婚訴訟が開始されたこと
- 30日以内にResponseを提出する必要があること
を正式に通知する書類です。
非常に重要なポイント(ATRO)
FL-110には、以下のような自動的な制限(ATRO)が含まれています。
- 子どもを州外・国外に無断で連れ出すことの禁止
- 財産の勝手な処分の禁止
- 保険の変更・解約の制限
つまり、この書類は単なる通知ではなく、当事者双方に法的拘束を課す重要な文書です。
3. 子どもがいる場合は「FL-105(UCCJEA)」も必要
未成年の子ども(18歳未満)がいる場合には、
**FL-105(Declaration Under UCCJEA)**を提出する必要があります。
このフォームでは、
- 子どもの現在および過去の居住地
- 他州・他国での親権手続の有無
を申告します。
なぜ重要か
親権の管轄(どの州・国が判断するか)は非常に重要な問題です。
特に、日本との往来があるケースでは、記載内容が後の紛争に直結することがあります。
4. 提出後は「送達(Service)」が必要
フォームを裁判所に提出しただけでは、手続は進みません。
相手方に正式に書類を渡す「送達(Service)」が必要です。
ポイント
- 自分自身で送達することはできない
- 18歳以上の第三者が行う必要がある
送達が完了したら、
FL-115(Proof of Service of Summons) を裁判所に提出します。
5. 相手方が記入するフォーム「FL-120(Response)」
相手方(Respondent)は、送達を受けてから30日以内に
FL-120(Response) を提出します。
このフォームでは、
- 離婚に同意するか
- 財産分与の考え方
- 扶養や親権についての立場
などを示します。
6. 「最初に必要なフォーム」の全体像
セルフで離婚手続を進める場合、最初に関わるフォームは次の通りです。
申立人(Petitioner)
- FL-100(Petition)
- FL-110(Summons)
- FL-105(子どもがいる場合)
- FL-115(送達後)
相手方(Respondent)
- FL-120(Response)
- FL-105(子どもがいる場合)
7. FL-100記入時の注意点(重要)
特に以下の点は慎重に記入する必要があります。
① 別居日(Date of Separation)
財産分与の基準時になるため非常に重要です。
② 財産・負債の把握
コミュニティ財産と別産の区別を意識する必要があります。
③ スパousalサポート
将来請求の可能性があればチェックを入れるべきです。
8. よくある誤解
「フォームを出せば離婚が成立する?」
→成立しません。
これらのフォームはあくまで「開始」に過ぎず、
- 財産開示(Disclosure)
- 合意または裁判
- Judgmentの取得
といったプロセスを経て、初めて離婚が成立します。
まとめ
カリフォルニアで離婚手続を開始する際には、以下のフォームが出発点となります。
- FL-100(Petition)
- FL-110(Summons)
- FL-105(子どもがいる場合)
そして、送達後には
- FL-115(Proof of Service)
相手方は - FL-120(Response)
を提出します。
特にFL-100は、今後の手続全体に影響する重要な書類です。
セルフで手続を進める場合でも、最初のフォームは慎重に作成することが重要です。
カリフォルニア拠点(サンフランシスコ、ベイエリア、ロサンゼルス)
カリフォルニア州弁護士・日本弁護士
田中良和
